第1回「カルトナージュとの出会い」

私とカルトナージュを結びつけてくれた事を語るに外せないのは、イギリス・フランスのアンティーク家具達です。

以前から大好きだったアンティーク家具のショップを初めて今年で7年目になりますが、これらを販売するにあたって、ヨーロッパの歴史や文化をいろいろと事前に勉強するうちに、多くの歴史ある建築・家具・付随する彫刻・女性達が身につけていた装飾品など様々な素晴らしい物たちとの出会いがありました。

写真(1)その中には、今まで私が触れたことがなかった、ルネッサンスやロココなどの構図が美しく織り込まれ、独特な色調を持つ「トワルドジュイ」という生地を知りました。

驚くことに、この生地にもまた、フランスのご婦人方に長年愛され続けられてきた歴史深い生地だという事も分かり、興味を持つと同時に、是非この生地を自分の手元に置きたいと、国内でいろいろと調べておりました。

そこでたどり着いたのが「カルトナージュ」だったのです…

そしてまた、「カルトナージュ」にも歴史があることを知った訳でございます!
私の性分でしょうか…古いものに対する興味がとてもあるのです。
長年流行りが廃れない理由にはそれなりの意味があって、「カルトナージュ」に限って言えば、17世紀以降、いつの時代にも女性を魅了させてきた事には、実際の身近な生活に必要なものが、手作りできるという点だと思うのです。

写真当時のフランス貴族の生活であっても、今の時代のように便利な物に溢れている訳もなく、一般市民に於いては、なおさらのこと…手短かにある紙や余り布で、「こんなものがあればいいな~」的に作られていたのではと推測するのですね。

美しい布を用いてのカルトナージュが定着してくるのは、もう少し後の安定した時代。
パリ万博あたりからではないのかなぁと思うのですが…これはあくまで私の主観ですよ!

ともかく、女性にとって日常的に使うものが美しく、かつ実用的というのは本当に嬉しいし、毎日を優雅なものにしてくれます。

だから現代も、カルトナージュは人気なのではないでしょうか。

さて、この美しい生地を入手しはじめは、テーブルセンターにしたり、クッションにしたり、また、パソコンなどで作り方を調べながら収納の箱など、いろいろと作りながら、ショップで飾っては楽しんでいました。

そのうちに、アンティーク家具を見にいらっしゃるお客様から、オーダーの依頼などを徐々に頂くようになって、本格的に習ったわけではなかったので、一定の技術の線から抜けきれず、「こんな独学の代物では、お代を堂々といただけないわ~」と思いつつも、ショップのお仕事をこなしながらでは、なかなかレッスンへ行く時間が取れませんでしたが、毎週の定休日にされている教室を見つけて、なんとかレッスンに行くことを決心!

そちらの教室で基礎から教えていただきました。

年齢50カラットからの新たな勉強でした。。。

…続く


■コラム執筆者のプロフィール

大阪・福島にて、カルトナージュサロン「アトリエレビオーサ」を主宰。
1900年前後のイギリス・フランスから直輸入したアンティーク家具の専門店の運営も手掛ける。

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