第4回「きりっと引き締めは金具で」

この連載も最後になりました。今回は、金具類について見てみましょう。

カルトナージュにおける金具類は、ファッションに例えてみたら、実用として必要とされるうえ、お洒落のポイントにもなる時計のような位置づけといえるでしょう。または、アクセサリーのようなイメージでしょうか。

ここで大切なことは、作品を程よく引き締めて、適度なアクセントになる金具を選ぶことです。
金具だけが悪目立ちするものを付けてしまうと、全体として見たときにちぐはぐな印象の作品になってしまいます。
ただ、おとなしすぎてもポイントになりません。こういうバランスは、とても大事です!

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上の写真は、ファイルボックスに付けた持ち手金具。このマットな質感といい、ぷっくり膨らんだ持ち手部分といい、大のお気に入りです。パリのDIYショップ、BHVで買いました。
このお店はとても広いので、どこをどう見ればいいのかわからないと思いますが、カルトナージュをする方は、ぜひとも金具売り場をのぞいてみてほしいと思います。
これは!という金具が見つかると思いますよ。

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こちらの写真、蓋の上、中央にピンを打っています。
このピンがあるのとないのとでは、この作品の出来栄えが全く違うのです。

ピン使いは私の大の得意とするところなので、果てしない量のピンを持っています。ほんの少しの大きさの違いで、すごく良くなったり、逆にイマイチになったりするので、ミリ単位で大きさや形を変えて収集しています。

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これは、そのピンを収納しているプラスチックケース。
お洒落感ゼロですが、半透明で細かく仕切ってあるところが使い勝手抜群。
無駄なスペースを作らずにいくつも重ねておいておけます。滑りもよく、扱いやすい。
100円ショップ、ブラボーです!

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こちらは持ち手金具のかわりにカフスボタンを使った作品です。
正直、カフスボタンをガシッとつかんで引き出しの出し入れをするのは忍びないので、ほぼ飾りとして置いておく作品の時にだけ使います。このカフスボタンと同色のリボンがあったので、それも付けてみました。色をリンクさせるのも大好きなテクニックですね!
カフスボタンは、La Droguerieで購入しました。これもまたボタンと同じで、コロコロとした形が、私の心をわしづかみ!丸いものって、なんでこんなに可愛いんでしょうね!

ここまで、4回にわたってカルトナージュに使う素材について、私なりのこだわりや思いをお届けしましたが、楽しんでいただけたでしょうか?
最後まで読んでいただきまして、本当にありがとうございました。

メゾン・ド・カルトナージュ  Harumi 春海


■コラム執筆者のプロフィール

東京・二子玉川のカ ルトナージュ教室「メゾン・ド・カルトナージュ」を主宰。
2006年、フランスでカルトナージュと出会い、フランス屈指のカルトナージュ作家ローランス・アンケタン先生のもとで徹底的に学ぶ。
2009年に帰国後、教室を開校。

高い技術力とそれに基づく細やかな指導、抜群のセンスに定評がある。

「とびきり素敵に……とびきり綺麗に仕上がるには理由があります」

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