第3回「主役にもなるリボンとボタン」

前回は、カルトナージュ製作のメインの材料となる生地について書きました。

今回は、アクセントとしての役割を果たすリボンやボタンについて見ていきましょう。
ポイントとして、足すか足さないか?
それを付けたら、作品がグ~ンと良くなるものを選ばなければなりません。

注意したいのは、「付け足し過ぎ」です。ひとつの作品において、アクセントが多すぎたり、微妙に合わないかもしれないけれどせっかくだから……と付けていくと、装飾過剰になってしまいます。
ごちゃごちゃした印象になるのは避けたいですよね。
全体として見たときに、スッキリとした作品を目指しましょう!
そういう作品には、インテリアとして部屋に置いたときに、そのコーナーをピリリと引き締める力があります。

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まずはリボンについて。
一番使用頻度が高いのはグログランリボンです。透けたりしない、布に貼りやすい、私がよく使うリネンとの相性がいい、取り扱っている手芸店も多く手に入りやすいのが高ポイント。パリでもたくさん見て回りましたが、日本のものもとてもいいです。
見本帳を見ていると、全色全サイズ揃えたくなりますね。

アクセントとして最後に足すのではなく、そのリボンを主役として使いたくて作るものもあります。
上の写真がそうですね!このリボンにハサミを入れるときには震えが……。

次にボタンについて。
ボタンは、リボンほどカルトナージュには使いませんが、この丸い形がもうダメ……素敵なものを見つけると、惚れ込んでしまうというのでしょうか、入手せずにいられません。
「可愛い悪魔」と呼びましょう!
パリの生地屋さんは、ボタンも扱う店が多いのです。ボタンは高価なものが多いので少しずつ足していきました。少しずつだったはずが終わってみたら……。でも、こういうプロセスも楽しいんですよね!

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こちらの写真の箱の中には、特にお気に入りのボタンを入れています。
次の写真でアップで写しているので、どうぞじっくりご覧ください!

上段は、木のボタン。ひっかき傷のような模様が入っていて、そこに絶妙にふんわりとしたパステルで彩色してあります。
下段は、貝ボタンに、葉のような文様が彫り込まれています。どちらも、大事にし過ぎて使えないのが難点です……。

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貝ボタンが大好きなので、洋服のボタンを自分で貝ボタンに変えたりもします。
浅草橋にあるTakashimaという貝ボタン専門店には、ありとあらゆる種類の貝ボタンが揃っていて圧巻です。

次の写真のような使い方もできます。可愛い!

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次回の最終回は、カルトナージュにおけるアクセサリー、金具についてお話ししましょう。

メゾン・ド・カルトナージュ  Harumi 春海


■コラム執筆者のプロフィール

東京・二子玉川のカ ルトナージュ教室「メゾン・ド・カルトナージュ」を主宰。
2006年、フランスでカルトナージュと出会い、フランス屈指のカルトナージュ作家ローランス・アンケタン先生のもとで徹底的に学ぶ。
2009年に帰国後、教室を開校。

高い技術力とそれに基づく細やかな指導、抜群のセンスに定評がある。

「とびきり素敵に……とびきり綺麗に仕上がるには理由があります」

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