メゾン・ド・カルトナージュの春海です。
カルトナージュでとびきり素敵なものを作るために必要なことはふたつです。
ひとつは、きちんとしたテクニック。
もうひとつは、生地など材料の適切なチョイス。
このふたつのどちらかが欠けていても魅力あふれる作品にはなりません。
この4回の連載では、後者の、生地やリボンやボタンなど、カルトナージュで扱う材料について書いていきます。第1回は「素材のコーディネート」について、普段から意識していることや心がけていることをまとめてみました。
私は、2006年から2009年まで3年間、フランスのパリでカルトナージュ漬けの生活を送っていました。このあたりのことは以前の連載で書かせていただいていますね!
パリで集めた尋常でない量の材料が今でも、私の製作とメゾン・ド・カルトナージュのレッスンで大活躍しています。
そして、製作中でもレッスン中でも、私が作るものでも生徒さんが作るものでも、その作品が「全体として美しいか?」という視点を最も大事にして、生地などの素材をピックアップしています。
そう……トータルコーディネートなのです!
1:メインとなる柄布を決める
2:お相手となる無地のリネンやスキバテックスを選ぶ
3:リボンやタッセルやボタン、金具などアクセントになるものを付けるかどうか考える
1から3まで、順を追って組み立てていきます。
使おうと思う柄布に、ピタリ!と合うお相手の無地のリネンやスキバテックスがあってこそ、その柄布は活きてきます。なんとな~く手元にあるものを合わせてしまうと、やはり、仕上がった作品も、そこそこ……という残念なことになってしまいます。
特に3の、アクセントはよくよく吟味します。これを付けた方が、とびきり素敵になる!と、はっきりしている場合にのみ、合わせていきます。
なんでも付ければいいというものではないですよね。
作品の雰囲気と合ってなかったり、そればかりが悪目立ちする場合は付けません。無理やり合わせると、ごちゃごちゃした印象になってしまいます。
アクセントをつける場合は、「ちょうど良いさじかげん」を目指しましょう。これはとても大事です!!!
上で書いたことは、まさにファッションのコーディネートと一緒です。自分の着る服の組み合わせを決めて、それから、それに合う靴やバッグをチョイス。
加えて、アクセサリーをどうするか?足したり引いたり。鏡の前であれやこれや……全体で見て素敵!を目指します。
時には、お気に入りの靴やアクセサリーに合わせて、服などを決めていくこともあります。ここもカルトナージュと一緒です。
大切にしているとっておきのリボンやボタンを主役に据えて、残りすべての素材を決めていく時もありますからね!
次回の第2回では、生地についてお話ししましょう。