ぷっくりとした凹凸に、思わず触りたくなってしまうエンボス。本の装丁や結婚式の招待状、レザークラフトなどをより美しい装いにしてくれます。
「エンボス」とは「浮き彫りにする」という意味で、型押しによってモチーフを浮き上がらせて立体的に見せる表現方法です。
エンボス加工をすると、表面に陰影や立体感が出て、表現やデザインの幅が広がります。布小物やペーパーアイテムは、クオリティが上がって見える上に、高級感を感じさせてくれる効果があります。
アルファベットや文字、模様やモチーフなどをかたどって、ワンランク上のカルトナージュ作品を作ってみましょう♪
各サロンの作品から、カルトナージュでのエンボス加工の方法までたっぷりご紹介します。
エンボス入りのカルトナージュで日常アイテムを
毎日使いたいエンボス仕様マスクケース
こちらは、側面の模様が美しいマスクケースです。使い捨てマスクの箱がそのまま入る優れものです。
エレガントな花模様の生地と、浮かび上がるエンボスが調和していますね。ふんわりとした蓋に、凹凸のある本体で「見た目」と「手触りの違い」の両方が楽しめます。
内側にはシャンデリアの刺繍で、開けた時に楽しい工夫も♪
カルトナージュでエンボス加工を施す場合、すでにエンボスされたペーパーを使う方法と、エンボスパーツをカルトンに貼って加工する方法があります。
プリントペーパーや皮革風のスキバルテックスなど、カルトナージュ作品ではペーパーアイテムがたびたび活躍します。
エンボス加工の施されたペーパーは、文具店などで入手できて種類も豊富です。紙作品の加工の仕方を覚えると、布作品にも応用が効くので一石二鳥と言えます。
可憐なすずらんのエンボスボックス
すずらんのエンボスが上品なツールボックスです。きらりと輝くホワイトパールのつまみで、よりノーブルな印象に。八角形のボックスは、リモコン入れやメガネスタンドにしたり多用途に使えるのも良いですね。
こちらの作品では、クラフトショップで売られているエンボスパーツを使用しています。紙にも布にもエンボスしやすい厚みで、はじめからカットされているので簡単に取り入れられます。
フレンチムードなレシピボックス
小さな丸いエンボスを散らした、リネン素材のレシピボックスです。エッフェル塔の刺繍を囲むドットが雪のようにも見えます。
エンボスではワンポイントだけでなく、このように柄やパターンも作れます。
ナチュラル&エレガントな八角トレー
アンティーク雑貨風のマルチトレイは、縁取りをエンボスにしています。縁にはリボンやブレードを使うのも素敵ですが、高さを出すだけでシンプルながらもデザイン性をプラスできます。
金古美の持ち手にタッセルを付けて、そのままインテリアとして美しく飾りたい見た目ですね。
イニシャル入りレザーチャーム
イニシャル入りの作品は、オリジナル感が増して大切な人への贈り物としても最適です。
こちらのエンボスチャームは、タッセルをつけたりファーをつけたり、創意工夫が楽しいと好評です。
革素材は高級感がありつつ、世代や性別問わず使いやすいですよね。贈る相手の好きな色にしたり、ぜひお揃いで付けてみましょう♪
おさまり良くスッキリな3段トレー
3段アクセサリーケースは、引き出しにエンボスのイニシャルが浮かび上がります。他にはないデザインが、思わず目を引きますね。
こちらの作品では、手作業で狂いなくカッティングされたイニシャルパーツを、4つに分割して加工処理を施しています。ここまで綺麗にピタッと収まる仕上がりは、「Perles de sucre」だからこそ、としか言いようがありません。
天面のアクリル蓋から見えるイニシャルを揃えて、世界に2つと無い作品です。
エンボスのやり方&綺麗に仕上げるコツ
美しい作品の数々を眺めていると、「どうやって作るんだろう?」と不思議ですよね。ここでは、パーツをカルトンに貼り付けて装飾する方法をご紹介します。
1.パーツをカットする
まず、エンボスパーツをカットするには、2通りのやり方があります。
ひとつは厚紙を自分でカットする方法です。
この場合は、ワードなどで文字を打ち出して、プリントアウトしたものをエンボス用紙に写すと綺麗な書体で作れます。ステンシルプレートを活用しても良いですね。
自分自身でのカットは、根気よく丁寧に作業すれば好みの絵柄も自由自在!「あったらいいな」と思うオリジナルの図柄が作れます。
もうひとつは、カッティングマシーンを使う方法です。
購入にそれなりの費用はかかりますが、専用の機械を使うと正確にカットできるため、完成度が増します。
機種にもよりますが、スキャナー機能が付いていると、手書きイラストの取り込みも可能ですよ♪
2.エンボスパーツを固定する
パーツがカットできたら、裏側にのりを付けて貼りたい場所に固定します。
基本的にはカルトナージュ用ののりを使用しますが、シールをはがして固定するだけの便利なパーツも市販されています。
のり溜まりができないように、筆先を立ててステンシルするようにのり付けします。一面に付ける場合は、できるだけのりを付け過ぎないように、均一に伸ばします。
3.表面の素材を貼り重ねる
のり付けした面の上に生地を置いたら、まずは手で圧着させて、パーツをある程度浮かび上がらせます。それから、エンボスペンやヘラを用いて絵柄の縁をなぞり、さらにエンボスをくっきりさせます。
生地が浮いてしまっていたり、生地自体が伸びづらい場合、なぞる段階で穴が開いてしまうケースもあるので手早く丁寧に行いましょう。
最後にパヴェなどの平面ヘラで、カルトンと生地をなじませたら完成です♪
エンボス加工は、作品のクオリティをさりげなくアップさせてくれる上に、高級感ある仕上がりにしてくれます。
イニシャルを組み文字にしてみたり、店名や教室名を入れたり、オリジナルアイテム作りにももってこいです。
はじめての方は、サロンで教わるのが確実!
こちらから教室を検索して、好きな作風やお好みに合うサロンを見つけてみましょう♪
見た目の美しさと、創意工夫が楽しめるエンボス加工を取り入れて、あなただけの高級感あるカルトナージュ作品を作ってみてくださいね。