2009年にフランスから日本に帰国しました。
もともとのフランス好きにより磨きをかけてパワーアップ。
パリに行く前に住んでいた東京の二子玉川にて生活を始めました。
作品や布や紙、その他大量の資材は船便で送ったため、段ボールが家に到着して開けるまでは気が気ではなかったですね。
パリで引っ越し屋さんが「これ、マダム一人で作ったの?!信じられない!」と驚きつつも丁寧に梱包してくれた作品がざくざく段ボールから出てきた時はホッ。
3年間の布屋さんや手芸屋さん巡りの成果である愛しの資材達と無事に再会出来て、本当にうれしかったです。
生活が落ち着いたところで、ローランス・アンケタン先生からみっちり仕込んでいただいたカルト ナー ジュの技術や、私がひたすら製作に励む過程で編み出した工夫や綺麗に仕上げるためのコツを教える教室を開く準備を始めました。
とはいえ、全てが初めての事であり、教室を開くというノウハウを全く持っていない状態です。
まさに五里霧中、、手さぐりのスタートでしたが、カルトナージュへの情熱と自信が私を支えてくれました。
今でも忘れられない一日があります。
私がカルトナージュを人に教えてみた初めての日です。
友人達に集まってもらって、シンプルなトレイを試作してもらったのですが、朝一番から始めて17時過ぎまで・・・まさにてんやわんや!終わった時は外は既に薄暗かったです。
カルトンは切って用意しておいたのですが、ケント紙のカットや布などのカット全てに予想以上に時間がかか ったんですね。
それから、友人知人に沢山声をかけて、「教える練習」をはじめました!
回数を重ねていくうちに、レッスンの進め方や教え方のコツ、さらなる課題がどんどんわかってきて、本当に良い勉強になりました。
いくらしっかりとした技術を持っていても、それをきちんと生徒さん達に伝えられなければ教室に来ていただく意味がないのですから、「教える技術」を身につけることは大事です。
お付き合いいただいた方達のおかげで、私も少しずつ教えることに慣れ、技術を伝える自信もついてきました。
また、レッスンにはどういうものをどれくらい準備すべきかという目安も徐々にわかってきました。
実は、「メゾン・ド・カルトナージュ」の第一期の生徒さんは、この練習に来ていただいた方達が多 いのです。
同時に進めたのが、レッスンで作っていただく作品の試作です。
全くの基礎から始まって少しずつ技術を積み重ねていける構成。毎回新しく学ぶことが入っていること。
さらに、実用的に使えてインテリアとして部屋に置いて美しいもの!つまり、「美しい実用品」ですね。
今でも作品の構成は常に見直しながら少しずつ変えています。
そして、帰国から約1年半経った2011年2月、とうとう念願のカルトナージュ教室を開くことができました。