カルトナージュの魅力といえば、やはり、大好きな生地を使って身の回りのアイテムを自分色に染められるということ!
これまで何気なく使っていた「暮らしのアイテム」を、お気に入りのテイストで揃えることで、日々の生活に鮮やかな彩りが生まれます。
そんなカルトナージュの制作工程の中でも、みなさんに人気なのは「生地選び」です。お気に入りの生地を探す喜びは、そのままカルトナージュの喜びに繋がる重要な工程。しかし、なかなか「これ」といった生地が見つからないことも……
そんな時、「無ければ作る」の精神でオリジナルの生地を生み出す方法があるのです!
今回は、生地そのものを世界でひとつだけのオリジナル作品にすることができる「刺繍」のワザを採り入れたカルトナージュについて、ご紹介します☆
刺しゅうの魅力は、立体感と高級感!
みなさんが初めて「刺しゅう」に触れたのはいつでしょうか?多くの方が、小学校の家庭科の授業で刺しゅうの基本を習ったことでしょう。
当時、「面倒だなぁ」と、刺しゅうの面白さに気付けなかった方でも大丈夫!
大人になって始める刺しゅうには、子供時代には触れることの無かった魅力的な技法や図案がたくさんあるのです!
まず、刺しゅうというのは「平らな布に糸を縫い付けていく」作業の連続です。ですから、刺しゅうされた部分はおのずと盛り上がり、立体感が生まれます。そのぷっくりと膨らんだ糸のツヤがキラリと光を反射し、プリント生地とは一線を画した高級感が出るのです。
この立体感と高級感こそが、刺しゅうの大きな特徴になります。
機械刺繍と手刺繍
最近では、ご家庭のミシンにも刺繍機能がついているものが多くなりました。機械の力を使ってほどこされた刺繍を「機械刺繍」と呼びます。
機械刺繍の大きな魅力は何といっても、手間がかからないこと。したがって、機械刺繍で生産された製品は安価に入手することができるのです。また、手刺繍に比べて丈夫であることも知られています。
それに対して、ひと針ずつ人の手によって仕上げられる刺繍を「手刺繍」といいます。
手刺繍には、機械刺繍にはないあたたかみがあり、刺繍に込められた制作者の思いが感じられます。
また、大量生産するものではありませんので、オリジナリティの高いものが制作できます。
刺繍布を使ったカルトナージュ作品
ではここから、実際に刺繍布を用いて作られたカルトナージュ作品を見ていきましょう。
初めて刺繍に挑戦される方にも簡単な「クロスステッチ」を使ったものから、刺繍の心得をお持ちの方の参考になる応用作品まで、あらゆる作品を集めましたよ♪
簡単ステッチで気楽にトライ
こちらは、イニシャルを刺繍した生地を、お裁縫箱のフタに仕立てた作品です。イニシャル全体を見ると、精密にステッチされていて難しそうに感じますが、ひとつひとつのステッチは単純なステッチ。同じ作業の繰り返しです。
丁寧に向き合うことを忘れなければ、初心者の方でも簡単にクオリティの高い刺繍が完成しますよ!
そして、イニシャルのデザインに不安をお持ちの方に見ていただきたいのが、こちらのお写真。
ステッチの参考となる図案帳をもとに、制作している様子が分かりますよね。
自分で図案を考えなくても、素敵なアイデアを参考にすれば、こんなに素敵な刺繍ができちゃうんです!
そしてこのパスケースにもイニシャルのステッチが。生地の色味に合わせた色選びで、統一感がありながらもインパクトの強い作品に仕上がっています。
ヒマワリやバラなどの決まった色彩を持つモチーフとは異なり、イニシャルなどを刺繍するときは、おもに生地の色味とあわせて選ぶのが確実です。
ちょっとした工夫でランクアップ
お気に入りのプリント生地を使って作られたボックスです。プリントの絵柄をよく見ると、ところどころに元々の絵柄に沿って刺繍されているのが分かります。
全面を刺繍で仕上げるためには、気力も技術も必要になりますが、プリント生地に重ねて刺繍をするという工夫をすることで、手間以上の豪華さが生まれますね!
このブック型ボックスの中央に使われている可愛らしいお花の刺繍布、実は……
ティッシュケースの刺繍キットなんです!
初心者向けのキットは、簡単な刺し方の繰り返しで出来上がるようなデザインが採用されていて、初めての方でも美しい仕上がりになるように工夫されています。今から刺繍を始める方は、ぜひ活用してみてください!
魅惑のビーズ刺繍
こちらの作品は、「エレガントプレイス」で開催されている、ビーズ刺繍とカルトナージュのコラボレッスンでの作品です。刺繍の先生をお迎えしてのコラボレッスンは好評で、ビーズ刺繍のとりこになる方が続出!
通常の刺繍より手軽に立体感が出せ、装飾的な要素も高くなるビーズ刺繍は、基本を押さえればどんなモチーフにも応用が利く優れものです。
生地とリボン、刺繍とスパンコールやビーズ、それぞれの組み合わせを自在にコントロールして、思い通りの絵柄が生み出せるようになる日も、そう遠くありません!
思わず触ってみたくなる、本物のミモザのようなつぶつぶ感がかわいらしい作品です。
カルトナージュの生地選びで難しいところは、お揃いアイテムを作りたい場合に、それぞれのアイテムの形に合った柄取りができるかということです。
その点、刺繍なら自分の思い通りの場所にモチーフを配置できますから、このようなお揃いアイテムを作るにはぴったりな技法ですね。
本格刺繍で新たな世界観をゲット
あらゆるステッチを組み合わせて描かれた、カワイイ女の子のモチーフですね。
5角形のカラフルでポップなボックスに似合っていますよね!
刺繍の面白さに目覚めた方にぜひ挑戦していただきたいのが、アイテムに合わせたオリジナルデザインです。刺したい図案の方から感じたインスピレーションでカルトナージュするのもOKですよ☆
この、ひし餅のようなフォルムを持つボックスは、刺繍のレッスンを受けられている「Perles de sucre」の先生が、お雛様の立体刺繍を教わった時に思い付いた作品だそう。
図案から着想を得て、ひし形のボックスと低めのケーキスタンドを組み合わせた作品に仕上がりました。
また、この作品は、刺繍作品展に出品された作品だそうで「メゾン・ド・クチュール パリの街角をイメージして…」というタイトルが付けられています。
ここまで本格的に刺繍を極めていくと、カルトナージュ作品と刺繍が一体となった、オリジナルな世界観を生み出すことが可能になりますね。
中身はなんとお裁縫道具!
図案と構造と用途と……あらゆる要素を総合的に考えて作り出す、これこそが「用と美」を兼ね備えたカルトナージュの、究極の楽しみ方かもしれませんね。
市販の生地を使ってもOK
さて、ここまでいろいろな刺繍作品を見てきて「やっぱり自信がないな」と感じられた方には市販の生地がおすすめ!
このオルゴールスタイルの箱は、フタに市販の刺繍布を採用。その刺繍糸と同じネイビーの生地とブレードで、本体を装飾しています。
同色のブレードをあしらうことで、刺繍布の高級感に負けない豪華さが生まれています。
こちらのボックスに使われている市販の刺繍布は、幾何学的な模様が連なっているタイプ。赤いドットが盛り上がっていてキュートかつ高級感のある生地ですね。
フタと前面のつながりもきれいに収まっており、柄合わせの快感も味わえる作品です。
このように、市販の刺繍生地をご自身の作品に取り入れることで、いつもの作品作りとは違う作品が生まれますので、これまで刺繍生地を使われてこなかった方は、どうぞ積極的に使ってみてください♪
自分だけの生地を手に入れよう!
これまで、刺繍にあまりなじみのなかった方でも、カルトナージュ作品の中で輝くモチーフが作り出せるとなれば、刺繍にトライしてみる価値はありそうですよね!
生地を選ぶ楽しみに加えて、オリジナルの生地を生み出すという楽しみが増えると、カルトナージュ作品のバリエーションももっともっと広がりそう!
刺繍生地を使ったカルトナージュに挑戦してみたい方は、上でご紹介したサロンにご相談されるか、こちらからお近くのお教室にアクセス!頼りになる先生がきっと見つかりますよ☆