第7回「カルトナージュの魅力」

私がカルトナージュに強く魅力を感じたのは、創作の自由度が高いことと、手先の器用さに左右されにくいと思ったからです。

第7回カルトナージュの魅力カルトナージュに限らず陶芸やビーズなどの手工芸は、サイズやデザイン、素材を自分で自由に選ぶことができ、想像力を存分に発揮して思いを形にできるところに、その魅力の一つがあるのではないでしょうか。

特にカルトナージュは、収納用のボックスに始まり、ファイルボックスなどのステーショナリーやダストボックスなどのインテリア雑貨まで、幅広いシーンで活躍してくれるモノ作りが可能です。

同じ作品であっても布を変えると全く違う印象になりますし、デコレーションで華やかにすることも無限大。

平面的なイメージのある紙ですが、曲げたり反らせたりすることが可能で、そうすることでデザインの幅も広がります。

第7回カルトナージュの魅力2材料費も安くはありませんが、その分、自分好みに作り上げることができます。

お金を出せば何でも手に入り、安価なものも多く出回っている便利で効率重視の時代において、手間をかけることを愉しむなんて、大人の贅沢ですね。

また、カルトナージュは“ボンドを塗って布を貼る“それなりに技術やコツがあるものの、特別な道具は必要ありません。

道具を使いこなす必要がないということは、多少不器用でも何とかなります。

私も時々、残念な完成品になってしまうことがありましたが、目を覆いたくなるほどではありませんでした。(笑)

生徒さんの中にも、「不器用ですが大丈夫でしょうか・・・」と心配される方がいらっしゃいますが、皆様2時間後には初めてとは思えない、美しい作品を完成されています。

誰にでも簡単にできることは、すぐ飽きてしまう傾向にありますが、ハードルが高すぎるのも苦しいばかりで楽しめませんよね。

カルトナージュは難し過ぎず簡単過ぎない。初心者の方も楽しめ尚且つ奥が深い。
色々な面でバランスの取れた手工芸だと思っています。

どうぞ長きに渡って、カルトナージュを愉しんで頂きたいと思います。


■コラム執筆者のプロフィール

横浜市、鎌倉市のカルトナージュ教室「Raffine(ラフィネ)」の主宰者、五十嵐寛子。
イタリア旅行でカルトナージュと出会う。その後、2011年に認定講師を取得して教室を開校。「上品で実用的」をコンセプトにした作品は多くの共感を得て、神奈川を中心に注目を集める。

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