第2回「初めての生徒さん」

開業届を出しておけいこ教室をスタートした私。
少しずつカルトナージュ教室としての軸が決まっていきます。

初めは、お友達にレッスンの練習をお願いしたり、知り合いが習いに来てくれたりしましたが、なかなか自信をもてないでいました。

たくさんのメニュー、何を教えるの?

本格的に起業する前、アイシングクッキーのディプロマも習得しており、カフェでイベントをしていたので、カルトナージュ以外にもたくさんのレッスンメニューの候補がありました。
シュガークラフトも習っていたため、カルトナージュとシュガークラフトのお教室にしてもいいかしらとも思っていました。

最初にお教室を開こうと決めたとき、メニューを1本にしぼり絞りたかったのですが、絞ることができませんでした。1本に絞ろうとすればするほど、どちらも好きに思えて、まるで恋愛の三角関係のようでした。

でも実際にやってみると、ひとつはキッチンでもうひとつはリビングで、同時にレッスンはおこなえないですし、両方のお道具を揃えるのは資金的にも難しいと感じました。

このままではどちらの技術も中途半端な状態になる、そう思いました。

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カルトナージュのお教室に決める

シュガークラフトの美しい世界と、カルトナージュの装飾美のどちらにしよう……
シュガークラフトはカルトナージュよりも長く習っていたこともあって、なかなか決断がつきませんでした。

それでもカルトナージュにしようと決めたのは、カルトナージュはシュガークラフトに比べて誰でも手軽に簡単にできる工芸であることと、尊敬するカルトナージュの先生のお人柄からでした。

また私にとって、紙とボンドを使うカルトナージュは、インテリアの専門学校で学んだファブリックの知識も活かせ、図書館で本の修理を行っていた頃の懐かしい紙のさわり心地を思い出させるもの。モノを大切に扱う気持ちも込めることができ、私の人生のすべてがつながるような、そんな気がしたのです。

生地

私カルトナージュの先生なんです!

カルトナージュ教室でお教室を運営していくと決め、ホームページやブログを整えました。
なのに「何をしているの?」と聞かれても「私は、カルトナージュの先生なんです」このひと言が言えませんでした。
名乗っていいのかな、まだ生徒さんもそんなに来ていないのに「私なんて」と思っていました。

毎日家にいて、ひとりで作品を作っているだけの毎日。
会社勤めの頃なら自分は何者か言えたのに、どこにも所属していない今、自分が何者なのかは自分で決めるしかないということに気が付きました。

カルトナージュ作品

決めたらミラクルが起こりました

そう決めて「私は、カルトナージュの先生です」と心からそう言えたとき、「それ何?どんなもの?」と聞かれたのです。

それで体験レッスンを説明したら「ぜひ行かせて」「やってみたい」とおっしゃっていただき、体験レッスンを終了後には、「楽しかった~習ってみたい。どうしたらいいの?」と話が進み、オリジナルコースにお申込みいただくことができました。

すごくうれしかったのと同時に身が引き締まりました。
その生徒さんが、レッスンの楽しさを宣伝してくださり、また作った作品を見て生徒さんが来てくださるようになりました。そのうちブログやインスタから作品を見て、「先生の作品が一番可愛かったから」とうれしい言葉付きのお申込みもいただき、少しづつ講師としての自信もついてきたのです。

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■コラム執筆者のプロフィール

2018年4月より大阪府岸和田市でカルトナージュ教室「Salon de Elais(サロンドゥイリアス)」を主宰。
現在も「Atelier Neige (アトリエネイジュ)」の葛井先生に師事し、カルトナージュのスキルアップに邁進している。

サロン開業以前から幅広くハンドメイドの腕を磨いており、その作品のクオリティの高さは周囲を驚かせるほど。
バレエをはじめダンス全般、読書、シュガークラフト、美しいものを見ることなど趣味も多く、多方面に広げたアンテナで、自らの作品にエッセンスを加えている。憧れるのは中世ヨーロッパ。

「自分を信じてチャレンジを楽しむこと」を大切にしている。
「自分に『失敗してもよい』と許してあげること」が、自分を信じることに繋がるとの考えをモットーに、年齢にかかわらずチャレンジを忘れない気持ちをもって活動中。

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