第2回「カルトナージュ作品への思い」

私がカルトナージュ作品を作るに当たってのコンセプトは、「実用性」です。

せっかく作っても、日常生活では使わないものだったり、装飾性を重視するあまり、使いづらいものだったりしては、何にもなりません。
ですから、レッスンカリキュラムも、日常生活で身の回りにおいて便利に使えるものを中心にチョイスしています。

また、材料選びをするときも、たとえばダストボックスは、汚れが目立たないものや、汚れがふき取れる素材をチョイスしたり、インテリアの雰囲気を壊さないようなものを選ぶようにしています。

結婚するまで、インテリアコーディネーターとして働いてきた知識を生かして、生徒様が生地選びで迷っていたら、作品を置く部屋のカーテンの色、床の色、ソファーの色などをお聞きして、周りのインテリアになじむものをアドバイスさせていただくようにしています。

我が家のマガジンラックや、ティッシュケース、リモコンスタンドなどはもう10年以上も使っていますが、頑丈で、まだまだこれからも活躍してくれそうです。

カルトナージュ作品を作るうえで、実用性が最大のポイントですが、もう一つは「あったらいいな」と思うものを作れるということです。

この隙間にこんな棚があったら便利なのに・・・とか、これを目隠しにするものはないか・・・とか、市販されていないものでも、あったらいいなと思うものはカルトナージュで作ってしまいます。

0226-2数年前に、娘にドレッサーを作ってほしいと言われました。

「えっ?ドレッサーを作る?お母さんは家具屋さんじゃないんだよ?!」と笑って断りましたが、その夜「待てよ、本当に作れないだろうか。もしかしたら作れるんじゃないだろうか?」と一晩考え、作ってみようという結論に至り、次の日の朝から早速作り始めました。

作っていくうちに、引出にはこんな装飾を付けて、鏡は大きく、天板にもカーブを付けてと、夢はどんどん膨らみ、完成したのがこちらです。

鏡のペイントには苦労しましたが、娘も大喜びして、お嫁に行く時に持って行ってくれるそうです。

それから、どうしても欲しかったけれど、サイズが合わなくて購入できなかったマントルピース。

それならば、作ってしまおう!ということで出来上がったのがこちらです。o0389064011822130737

高さも幅も希望通りにでき、天板を開くと、中に物が入れられるようになっています。
結構たくさん入ります。

思い通りのマントルピースが出来上がったら、その上に置くスタンドもほしくなり、それならば、壁に飾るミラーも!ということで、全部作ってしまいました。

展示会では、カルトナージュで作ったものとは思われないで、素通りしていく方もたくさんいらっしゃいました。

このように、あったらいいなと思うものを作れるのがカルトナージュの魅力のひとつと言えるのではないでしょうか。
「カルトナージュで作れないものはない」とまでは言いませんが、何でもチャレンジすることは大切だと思います。


■コラム執筆者のプロフィール

千葉市花見川区にてアトリエティーローズを主宰。
カルトナージュ歴18年の講師が、丁寧にご指導いたします。
千葉市花の美術館(現 三陽メディアフラワーミュージアム)にて、暮らしを彩るカルトナージュ展を毎年開催。
カルチャーセンター5か所にて講座開講中。
カルトナージュのほか、デコールドシルクフラワー、グルーデコ、リボンクラフト、M-style Ribbon 、Ribbon laboフリルコレクションも開講中。
2014年より、在庫管理一切なしのキットコースGraceful Collection 、Graceful Tea Party Collectionのほか、シルクフラワーとコラボレーションした独自のFloral cartonnageⅠ・Ⅱ通信講座も開講中 全国に認定校多数誕生。
この他、ぺルメル、マガジンラック、カルトナージュで作るバッグの永久ライセンス取得コースもあります。
資格取得コースのほか、フリーレッスンでは、紙袋のリメイクや小家具の作成も可能です。
今年、今までにないまったく新しいコースも新設予定。

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