第2回「柄を引きたてる無地のリネン」

前回、カルトナージュ作品をとびきり魅力的なものに仕上げるための「材料選びの3ステップ」について書きました。今回は、その素材の中でも、一番の核となる「生地」についてクローズアップしていきます。

私は、3年間のパリ生活で、フランス的な美意識の中で培われた生地のとりこになりました。カルトナージュのレッスンが入っていない日は、生地やリボンを探し求めてパリ中をパトロールするのが、私の日課となっていました。
モンマルトルの丘のふもと、サクレクール寺院のすぐ近くにある生地屋さん街は、宝探しに行く感覚で!たっぷりと時間をかけて、素敵な生地を掘り出します。

生地を見分ける眼力、なかなか来ない店員さんを呼びよせる気合いが必要です。店員さんが近くにいないときに、下の方にある生地をグイっと引っ張って持ち上げる腕力もないと……。ですので、毎回クタクタになりますが、いいものを発掘できた時の喜びは格別でした。

こういう時、異常な探求心をもってアグレッシブに行動できることが、生地ハンターとしての資質かな?と勝手に思っています。

生地屋さん街ではありませんが、私はLes Olivadesというブランドの生地が大好きで、サンジェルマンにあるショップに通い詰めていました。ここでサンプルを見て注文、一週間後にその生地を取りに行く時のワクワク感といったらなかったです。
フランスならではの絶妙な色出し。繊細であり、また大胆なライン。
なかでも、柄のリネンが好きですね!ざっくりした質感のリネンに、かすれたようなプリントが施されています。
見た瞬間、心をわしづかみされてしまいます。

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上の写真は、ブルー系のリネンプリント。
下の写真は、同じくブルー系のコットンプリント。
リネンは、ザラザラ。コットンはパリッ。
質感の違いをわかっていただけるでしょうか?どちらも、それぞれの良さがあります。

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ここまでカルトナージュ製作のメイン材料となる柄の生地について書いてきましたが、同様に大事なのが、その柄に合わせる無地の生地です。
柄の生地をグンと引き立ててくれるようなお相手を合わせないと、せっかくの作品が、まぁまぁ……の出来になってしまいます。

私は、無地の生地はだいたいリネンを使います。ですので、ある程度厚みのあるリネンを各色コレクションしています。

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この2枚の写真は、それぞれ、グリーンとピンクのリネンです。
グリーンといっても、カーキ系からエメラルド系、オリーブ系まで様々な色味がありますよね。ピンクも同様で、モーブ系からフューシャ系、ベリー系など。ひとくくりにはできない色味の違いがあります。

作品をとびきり魅力的なものに仕上げるためには、あらかじめ無地の生地をたくさん集めておくことはマストといえます。

次回の第3回は、リボンとボタンについてお話ししましょう。

メゾン・ド・カルトナージュ  Harumi 春海


■コラム執筆者のプロフィール

東京・二子玉川のカ ルトナージュ教室「メゾン・ド・カルトナージュ」を主宰。
2006年、フランスでカルトナージュと出会い、フランス屈指のカルトナージュ作家ローランス・アンケタン先生のもとで徹底的に学ぶ。
2009年に帰国後、教室を開校。

高い技術力とそれに基づく細やかな指導、抜群のセンスに定評がある。

「とびきり素敵に……とびきり綺麗に仕上がるには理由があります」

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