第4回「思い出の作品」

福岡市でカルトナージュ工房Atelier L’arbre(アトリエ ラルブル)を主宰しておりますKotoriです。

思い出の作品をひとつだけ…なんて選べない!と思います。
今まで作ってきたどの作品にもひとつひとつ特別な思い出があるから。

初めて作った作品、家族の想い出の服を残したくて箱に仕立てた作品、家族が今でも毎日使ってくれている作品、展示会やイベントに出展した作品、コンテストに出品した作品、お友達の記念日のお祝いに作った作品、オーダーをいただいて製作した作品、出版社さんからご依頼をいただいて製作した作品…

今まで製作した作品の多くはお嫁入りして、私の手元にはもうありませんが、この作品は広岡ちはる先生のお教室に通っていた頃、プランタン銀座で開催された展示会に初めて出品させていただいた記念すべき作品なので、ずっと手元に置いています。

第4回
言ってみれば、この作品が私のカルトナージュ作家としてのデビュー作品かもしれません(笑)
この展示会のテーマは“ローラアシュレイ”だったので、作品には“ローラアシュレイ”の生地を使用することが決まっていました。

“ローラアシュレイ”の布は大人っぽい配色の花柄が多いですが…その中でも甘い色使いに惹かれて、私にしては珍しくかわいらしいこの色と柄を選びました。

ふたに大きなバラの模様をどう配置するか…最も印象を左右するところですから、布を縦に置いたり、横に置いたり、斜めにおいてみたりして、すご~く悩んだのを昨日のことのように覚えています。

そして、趣味で自分のものを作るのと違って、どなたかがお金を出して買ってくださるかもしれない販売用の作品を作るというのはかなり緊張(笑)。

ドキドキしながら、綺麗に仕上がるように自分なりに工夫して、いつもより丁寧に慎重に気持ちを込めて製作しました。すると不思議なもので、前よりちょっぴり上手く作れるようになった手応えを感じて、ますますカルトナージュが楽しくなりました。

実はこの作品はほぼ同じものがもうひとつあって、そちらは展示会開催中にご縁があって、お嫁に行きました。

たくさんあった素晴らしい作品の中から、どんな方が私の作品を選んでくださったのか…どこかで巡り会える日が来るかしら?今でもこの作品を手に取るとふとそんなことを思います。

みなさまもきっと、ひとつひとつの作品にその時の心情や風景、みなさんと交わした会話などが一緒に詰まっていて、その作品を目にするたびにふわっとその時の嬉しい気持ちや楽しい気持ちを思い出されるんじゃないかと思います。

これからもみなさんとともに楽しい時間を共有して、そんな作品を作るお手伝いをさせていただけたら嬉しいなと思います。

私のカルトナージュ作品の製作過程や完成画像も下記のブログでご紹介しています。
ご興味ある方は是非一度遊びにいらしてください。

⇒ http://atelierkotori.blog17.fc2.com/

次回は「私の休日」についてのコラムです。
どうぞお楽しみに!


■コラム執筆者のプロフィール

kotori。福岡市のカルトナージュ教室「アトリエ ラルブル(Atelier L'arbre)」を主宰。
2005年~2010年まで広岡ちはる氏に師事し、カルトナージュの基礎から応用まで幅広く学ぶ。
2010年よりアトリエラルブルを主宰。少人数制サロン形式の丁寧なレッスンが人気。
2014年に博多阪急で展示会を開催し好評を博す。
手づくり実用書の出版社ブティック社の書籍におよそ120点の作品を提供するなど、福岡で注目を集める教室。

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